海抜約26メートルの愛宕山から見た東京の見事な眺め。
以前大きな大名屋敷のあった辺りは、商店や住宅に変わっている。遠く背景に見えるのは築地本願寺の屋根。その向こうには東京湾が望まれる。
江戸時代、愛宕山は月見の名所だった。また東京を一望する写真を撮るには素晴しい場所で、此処から撮った写真で現存する最も古いものは、1865年(元治2年)頃にフェリーチェ・ベアトが撮ったもの。(次の写真)

フェリーチェ・ベアトが1865年から1866年にかけて撮影した、愛宕山からの江戸の眺め。(「Panorama of Yeddo from Otagayama」の部分)。大きな屋敷は、大名屋敷である。
江南信國がこの辺りを撮影した時までには、ベアトの写真には未だ写っていた大名屋敷は取り壊されるか、別の目的に使われるようになって久しかった。しかし基本的な配置はそのままだった。現在では最早そうとは言えない。
江戸の町は、町からの眺めをそのまま残すよう留意して作られた。江戸の主な通りは、愛宕山などの景観が印象深く見えるように向いていた。その他に市内からはっきり見えた景観は、富士山、武蔵野平野、隅田川、筑波山、神田山、湯島と本郷台地、忍岡(上野)、江戸城本丸と永田町台地、芝増上寺裏山と芝丸山。
最近の開発業者には、江戸時代の都市計画にあった叡智がなく、美しい景観の殆どが高層建築で見えなくなっている。

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引用文献
ドゥイツ・キエルト()1890年代の東京・愛宕山からの眺め、オールド・フォト・ジャパン。2025年02月08日参照。(https://www.oldphotojapan.com/photos/189/atagoyama-tokyo)
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写真番号:71205-0018
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